テザー(USDT)とは
- 2020.08.26
- 暗号通貨
テザー(USDT)の特徴
Tether(USDT)とは、Tether Limited社が運営するドルに固定されたペッグ通貨です。ペッグ通貨とは他の通貨の価値に連動させている通貨のことで、1ドル(USD)がほぼ1USDTになるように固定されています。これは発行したTetherの量とTether Limited社が保有するドルの量を同じにすることで価値を保っています。ブロックチェーン技術を使うことによってTetherは米ドルに価値の等しいトークンを国境を越えて瞬時に、かつ安全に保管・送受信することを可能にします。
価値の大きな変化がない
Tetherは、ドルと2%ほどの乖離が生じることもありますが、他の暗号資産(仮想通貨)に比べるとかなり価値の変動が少ない通貨です。ですから、暴騰・暴落のおきやすい不安定な相場では強い安心感があります。ビットコインのハードフォーク適用前後など、相場が全体的に大荒れになる状況において利確に適した通貨として取引されます。
多くの取引所で基軸通貨として採用されている
海外の、特にアメリカに本拠地を置く取引所の多くはTetherを基軸通貨として導入し、Tetherと取引可能な通貨ペアを用意しているところが多くあります。例えばPoloniexやBittrexなどですね。他にもLiquiのような取引所も基軸通貨として導入しています。
暗号資産(仮想通貨)市場で一番安定した利確先
Tetherは先ほど述べたように、1USDTがほぼ1USDとなるように固定されています。ですから、ビットコインやイーサリアムのようなメジャーな暗号資産(仮想通貨)でさえ大きく価格が変動するような荒れた相場でも、価値が安定しているのです。そのため、安定した利確先として注目されています。
USDTはTether Limited社にUSDを納金することでのみ新規発行されるのですが、総発行量がこの半年で6000万USDTから6億USDTと、10倍になっていることからもその注目のされ方が伺えますね。暗号資産(仮想通貨)市場における基軸通貨の一つとして扱われることもあります。
1USDT(Tether)≒1USDを維持する仕組み
Tetherの価格を1USDT≒1USDに固定する仕組みは、その発行過程にあります。Tetherの新規発行システムは、Proof of Reservesと呼ばれ、他の暗号資産(仮想通貨)とまったく違います。
新規発行は、ユーザーがTether Limited社にドルを入金し、それと同量のTetherをLimited社が発行することでのみ行われます。入金されたドルはLimited社がプールします。Tetherをドルに戻したいときには、TetherをLimited社に入金することで、入金した額と同じだけドルを引き出せます。
こうして市場に出回るTetherの量とLimited社がプールしているドルの量を等しく保つことで、Tetherとドルの価値を一定に保っています。この等量関係が重要なので、Limited社は毎日プール額を公表しています。これによって支払い能力があることを示し、Tetherへの信頼を維持しています。また、価格維持のため、TetherはLimited社による強い中央集権体制で運営されています。
仮想通貨テザー(Tether/USDT)の今後・将来性
テザー(Tether/USDT)は、今日暗号資産(仮想通貨)市場の基軸通貨として扱われています。暗号資産(仮想通貨)界にとっては画期的な通貨です。価格変動リスクがとても少ないため、安心して送金することができます。
ですが、投資対象としての将来性は高くありません。上述したようにテザーは米ドルと連動するペッグ通貨だからです。むしろテザーに投資をするよりは、政策金利があるため米ドルに投資した方が良さそうです。
暗号資産(仮想通貨)の機能としての将来性は高いテザーですが、投資という側面から見るとテザーを購入し保有しておくメリットはあまり無いように思えます。